内面が変わると、仕事のほうが先に変わります

内面を整える、という話があります。
気持ちの持ち方や、自分への向き合い方の話です。
ここで、たいていの人が一度立ち止まります。
それをやって、仕事に効くのか、と。
気持ちが軽くなるのは分かる。でも成果は別ではないか、と。
もっともな疑問だと思います。
ただ、90日を終えた人たちの話を聞くと、順番が見えてきます。
内面の変化は、まず仕事に出ます。
しかも、本人が実感するより先に出ます。
私は90日間の音声コーチングをやっています。
受ける前と受けた後に、同じ人へ同じ質問をして録音を残しています。
7人分あります。
この記事では、その発言と、私が音声で話している内容だけを使います。
久田 晃「内面の話をして、仕事に効くんですか」
この質問は、面談でよく出ます。
そう思われる理由は、はっきりしています。
内面は目に見えません。
見えないものが、見える結果を動かすとは思いにくい。
ここで一度、仕事の中身を分解してみます。
指示を出す。人にものを教える。
相談する。断る。
頼む。謝る。
どれも、相手のいる行為です。
一人で完結する作業は、思っているより少ない。
相手のいる行為は、こちらの状態に左右されます。
同じ内容を伝えても、状態が違えば伝わり方が変わります。
メンタルが仕事のパフォーマンスに出るのは、そこです。
集中力の話だけではありません。
順番が逆です。周りの反応のほうが先に変わります
ここが、いちばん誤解されるところです。
多くの人は、こう考えています。
まず自分が変わった実感が出る。それから結果がついてくる。
実際に起きていたのは、逆でした。
先に変わるのは、周りの反応のほうです。
本人の実感は、そのあとから追いついてきます。
理由は単純だと思っています。
自分の変化は、毎日少しずつ進みます。
昨日の自分と今日の自分を、人は比べられません。
録画も記録も残っていないからです。
一方で、周りは違います。
相手は、変わったあなたに毎日接します。
接し方が変わったことに、相手のほうが先に気づきます。
そして、返ってくるものが変わります。
自分を責める量が減ると、当たり方が変わります
間に何が起きているのかを書きます。
自分を責めるのには、体力を使います。
頭の中で言い返し、反芻し、証拠を集める作業だからです。
一日のうち、そこに使った分だけ余力が減ります。
余力が減った人は、人にやさしくできません。
余裕がないときに、丁寧な言い方は出てきません。
気が短くなるのは、性格の問題ではない。
残っている量の問題です。
自己否定が減ると、そこが空きます。
空いた分だけ、相手を見る余地ができます。
変わるのは性格ではなく、残っている余力です。
ここまでは、まだ本人の内側の話です。
外に出るのは、この次からになります。
実際に、3人の職場で起きたこと
90日を終えた7人のうち、3人の話を並べます。
3人とも、変化が最初に出たのは職場でした。
1指導のしかたが変わりました
麒麟さんは、人を教える立場の方です。
90日のあと、職場での指導が変わったと話していました。
「知らないことや、分からないこと、不安なことを教える立場になったんだ、というのがすごく分かった」
麒麟さん・受講後
できない人を見たとき、以前は「できていない」で止まっていた。
今は、どこで止まっているかのほうを見るようになったそうです。
「どこでつまずいているかって、人によって違う」
麒麟さん・受講後
できないのが最初は当たり前だ、という前提で入れるようになった。
麒麟さんは、そう言っていました。
キャリアが上がるほど、できて当たり前で教える人は増えます。
麒麟さんは、逆の方向へ動きました。
そして、転職するときに強く引き止められています。
辞めないでほしい、と何度も言われたそうです。
引き止めは、こちらが頼んで起きるものではありません。
周りが勝手に出した評価です。
2上司の態度が変わりました
佐々木さんは、納期の遅れで自分を責めていた方です。
90日のあと、変わったのは上司のほうでした。
俺はお前の味方だ、と上司が言ってくるようになった。
一緒に帰ろう、と誘われるようにもなりました。
同じような反応が、先輩たちからも増えたそうです。
佐々木さんが上司にお願いしたわけではありません。
本人がやったのは、自分の扱い方を変えたことだけです。
それだけで、相手の出方が変わりました。
職場の人間関係に疲れる、と言っていた人が、こうなります。
久田 晃3面接官の評価が変わりました
俊平さんは、転職活動そのものを躊躇していた方です。
90日のあと、4社の面接を受けました。
面接では、こういうときどうしますか、という質問が来ます。
同じ形式の質問に対して、返す中身が変わったそうです。
面接官から前向きな評価をもらうことが増えた、と話していました。
経歴も職歴も、90日前と同じです。
変わったのは、答え方のほうだけでした。
なぜ、仕事にいちばん早く出るのか
3人とも職場だったのは、偶然ではないと思っています。
職場は、同じ人と接する回数がいちばん多い場所です。
週に5日、同じ顔ぶれと過ごします。
同じようなやりとりが、何度も繰り返されます。
回数が多い場所ほど、変化は早く見えます。
1回では誤差でも、20回続けば相手が気づくからです。
もう一つ理由があります。
職場は、役割で接する場所です。
家族のように、関係が固まっていません。
役割で接する相手ほど、こちらの態度に素直に反応します。
だから、変化が返ってくるのが速い。
職場で疲れるのは、心が弱いからではありません
職場の人間関係で疲れる、という相談はとても多いです。
気をつかいすぎて、帰るころには何も残っていない。
そういう状態です。
疲れの中身を分けると、二つあります。
一つは、実際の業務の負荷です。
もう一つは、自分を裁いている分の負荷です。
後者は、こういう形で出ます。
- 言い方がきつかったかもしれない、と帰り道で反芻する
- 断ったあと、嫌われたのではないかと考え続ける
- 相手の一言を、何日も持ち帰る
- ミスを、能力そのものの問題として引き受ける
- まだ言われていないことを、先回りして想像する
どれも、業務時間には入っていません。
それでも、体力はしっかり削られています。
定時で帰っているのに疲れている人は、ここが動いています。
心が弱いから疲れているのではありません。
仕事のほかに、もう一つ仕事をしているからです。
この二つ目が減ると、一つ目に回せる分が増えます。
それが、成果として見えるところです。
実感は、あとから追いついてきます
内面が変わった人は、その日に自覚しません。
変化がゆるやかなので、途中では分からないからです。
先に来るのは、周りからの反応のほうです。
引き止められる。味方だと言われる。
前向きな評価が返ってくる。
そこで初めて、変わったらしい、と気づきます。
3人とも、変化を自分の感想では語りませんでした。
語ったのは、周りに起きたことのほうです。
実感が出るまで待つ必要はありません。
実感がないまま進んでいる期間は、止まっている期間ではない。
いちばん動いている時期であることのほうが多いです。
まとめ
今回は、内面の変化が仕事に出る順番について書きました。
自分を責める量が減ると、人への当たり方が変わります。
当たり方が変わると、相手の出方が変わります。
結果として、仕事のしやすさのほうが先に変わります。
本人の実感は、そのあとから追いついてきます。
自己肯定感が仕事に影響するのは、この経路です。
気持ちの話は、気持ちの中だけでは終わりません。
久田 晃内面が変わったことは、周りが先に教えてくれます。
実感は、あとから来ます
最大120分。今の状態と、90日後にどうなっていたいかを一緒に整理します。
無理な営業はしません。顔出しも不要です。