人の顔色で沈んでいた人が、立ち止まらなくなるまでの90日

怒られた日のことを、夜まで持ち帰ってしまう人がいます。
その場では、平気な顔をしています。
本人の中では、ずっと残っています。
この記事は、そういう状態だった一人の90日を、順番どおりに書いたものです。
ここでは麒麟さんと呼びます。
受ける前と受けた後の録音が残っています。
使うのは、その発言と、私が音声で話している内容だけです。
久田 晃気にしていないように、見せていました
麒麟さんは、仕事で教育を任される立場になっていました。
後輩を見る側です。
その一方で、人の反応が頭に残り続ける人でもありました。
怒られた日。相手が不快そうな顔をした日。
その場では流します。流したはずのものが、頭の中に残ります。
それが積み重なった時に、沈みます。
学生の頃からそうだったそうです。
誰かが話していると、自分のことではないかと不安になっていました。
本人の言い方だと、気にしていないように見せてはいました。
1沈んだ日は、その日が終わっていました
沈むと、動けなくなります。
今日はいいや、になります。
そこでリズムが崩れて、翌日以降も戻らないことがありました。
やらないといけないことも、そのまま止まります。
あとは、気持ちが切り替わるのを待つだけです。
待っている間の時間は、まるごと消えます。
90日間の音声コーチングを受ける理由を、最初にこう話していました。
「仕事の部分とかで自分の成長もできたりとか、人間的に成長できたらな、というので受けたいなと思って」
麒麟さん・受講前
自分のためだけ、ではありませんでした。
教える立場として、関わる相手にプラスを返したいという話もしています。
90日は、毎朝の音声から始まります
私は毎朝、受講生に音声を送っています。
1本5分ほどです。
聞いてもらって、その日の課題に取り組んでもらいます。
麒麟さんは、最初は面倒だと思いながらやっていたそうです。
それが途中で変わります。
朝、届くのを待つようになりました。
私の送信が数回だけ遅れた日があります。
その日は、今日は休みかな、と思ったそうです。
習慣が、待つ側の感覚に変わっていました。
久田 晃変わった日は、ありませんでした
90日後のインタビューで、私はこう聞きました。
何かがきっかけだったのか、徐々にそうなったのか。
答えは後者でした。
「受けていく中で、徐々にそうなっていったって感じですね」
麒麟さん・受講後
ただ、何も起きていないわけではありません。
本人は、こういう言い方をしています。
「自分の中で落とし込めた時に、理解して進めるようになったな、というのがあった」
麒麟さん・受講後
1分かることと、落ちることは別です
知識としては、たいてい最初の週で伝わります。
それでも、人は変わりません。
自分の話に置き換わるまでに、時間がかかるからです。
その置き換えを毎日1つずつ積むのが、90日という長さの意味です。
麒麟さんも、毎日違うことをやった結果だと話していました。
90日後に本人が言ったのは、時間の話でした
一番よかったことは何か、と聞きました。
返ってきたのは、立ち止まらなくなった、という言葉です。
沈まなくなった、ではありません。
今でも沈む日はあります。
沈んだあとに原因を見て、切り替えられるようになりました。
以前は、切り替わるまでの数日が丸ごと止まっていました。
変わったのは落ちるかどうかではなく、落ちてから戻るまでの時間です。
本人の言葉にすると、無駄な時間がぐっと減った、になります。
なぜ、その時間が縮んだのか
ここが、この90日の芯だと思っています。
私は音声で、客観のやり方を話しています。
不安になった時に、それを消そうとはしません。
不安なら不安のままで、1つの反応として置いておきます。
やることは、他人を見るように自分を見ることだけです。
評価がないと、次にどうするかを置く場所が空きます。
立ち止まっていた時間の正体は、自分を評価している時間です。
ダメな人間だと判定してしまうと、そこから先がありません。
判定をやめると、次の行動だけが残ります。
麒麟さんが言っていた自己分析は、これのことだと思っています。
今こう感じている、と自分を外から見られるようになりました。
久田 晃変化は、職場の指導に出ました
内面の話は、内面で終わりません。
麒麟さんの場合は、後輩への指導が変わりました。
教える立場になるとは、相手が知らない側にいるということです。
分からないし、不安です。
それを分かったうえで入れるようになった、と話していました。
つまずく場所は、人によって違います。
この人ならここだろう、と考えてから渡すようになりました。
できないのが最初は当たり前だ、というスタンスです。
キャリアが上がるほど、できて当たり前の側から教える人が増えます。
自分に厳しい人は、そのまま人にも厳しくなります。
自分への判定をやめた人は、相手にも判定を持ち込みません。
「生き生きして、笑顔が見られる指導ができるようになった」
麒麟さん・受講後
この変化は、周りのほうが先に気づきます。
転職を伝えた時、強く引き止められたそうです。
今も、顔色は気になります
消えていないことも書いておきます。
90日後の麒麟さんは、こう言っています。
「結構やっぱり、人の顔色を伺っちゃうところはあるんで、今も」
麒麟さん・受講後
新しい職場では、知らない人に声をかける仕事をしています。
断られることが前提の仕事です。
顔色が気になる人には、きつい場所に見えます。
それでも、続けています。
完璧を求めず、失敗の数のほうを目標にして動いているそうです。
環境が変わった不安について聞くと、こう返ってきました。
「そうですね、昔よりだいぶ減りましたね」
麒麟さん・受講後
性質は変わっていません。止まらなくなっただけです。
私は、それでいいと思っています。
顔色が気になるのは、人をよく見ているからです。
その感度が、そのまま指導のうまさに変わっています。
まとめ
今回は、一人の90日を通しで書きました。
受ける前は、怒られた日を持ち帰って数日止まる人でした。
90日後は、沈んでもその日のうちに戻る人になりました。
やったことは、毎朝の音声と、その日の課題だけです。
変わったのは性格ではありません。
自分に判定を下すのを、やめただけです。
そして、その一番の受け取り手は職場の後輩でした。
繊細さは、なくす必要がありませんでした。
止まらなくなれば、それは強みに変わる
最大120分。今の状態と、90日後にどうなっていたいかを一緒に整理します。
無理な営業はしません。顔出しも不要です。