中途半端で終わっていた人が、迷いをなくすまでの90日

いろんなことに手を出して、どれも中途半端に終わる。
やりきれないのは自分の弱さだ、と思っている方は多いです。
ただ、90日間そばで見てきた限り、原因はそこではありませんでした。
今回は、考え方の解説ではなく、1人の話を書きます。
私は90日間の音声コーチングをやっています。
受ける前と受けた後に、同じ人へ同じ質問をして録音を残しています。
ここに出てくるのは佐々木さんという方の、2本の録音です。
90日のあいだに何が起きたかを、本人の言葉のまま並べます。
久田 晃90日前、この方は自分を嫌ってはいませんでした
1本目は、コーチングが始まる前に録ったものです。
私は毎回、自分を否定することが多いか、肯定することが多いかを聞いています。
佐々木さんの答えは、こうでした。
「多いのは、自分のことを肯定するというところですね」
佐々木さん・受講前
気分によって変わるけれど、昔よりは増えた、という話でした。
つまり自己否定で潰れている人ではありません。
自分のことは、そこそこ好きな状態で始まっています。
それでも、この方には困っていることがありました。
いろんなことに挑戦するのに、どれも中途半端に終わる。
自信をつけきれない自分に、もどかしさを感じる、と話していました。
ここは大事なところだと思っています。
中途半端で止まる人が、みんな自分を嫌っているわけではありません。
手前で止まったのは、納期が遅れたからではありません
受ける前に、最近で一番しんどかった出来事も聞いています。
自分が回しているプロジェクトが、もうすぐ納期という段階まで来ていました。
そこで不具合が出て、遅れが生じます。
間に合うかどうかも怪しくなってきた、という状態でした。
本人いわく、ほんの少し前の出来事です。
ただ、この方にこたえていたのは遅れそのものではありませんでした。
自分はできると思っていたのに、できなかった。
その差が、そのまま自分を責める材料になっていました。
90日後にどうなっていたいかも、このとき聞いています。
いろんな分野に挑戦しているけれど、今は全部が中途半端。
どれか一つでも、これが強いと自信を持って言える状態にしたい。
これが出発点でした。
90日後、最初に出てきたのは「迷いがなくなった」でした
3か月後、同じ人に同じ質問をしています。
まず、受ける前の自分をこう振り返りました。
「中途半端な自分が、ちょっともったいないし、嫌だなというところがあった」
佐々木さん・受講後
やりたいことは決まっていた、と本人は言っています。
決まっていないのではなく、ありすぎて散らばっていた。
だから何から進むかが決まらず、手つかずのままだった。
そのうえで、何が変わったかを聞きました。
返ってきたのは、成果の話ではありませんでした。
一日が過ごしやすくなって、迷いがなくなった感覚がある、という話です。
自分を責めることも、もうなくなったと言っていました。
90日で増えたのは力ではなく、決まっている物事の量です。
久田 晃3つが、同じ土俵に並んでいました
何が中途半端を作っていたのか。
本人の説明が、かなり具体的でした。
当時、やりたいことが3つあったそうです。
1つは、趣味半分、仕事半分で続けている副業の実力を上げること。
残りの2つは、こう話していました。
「本業の仕事に対して、もうちょっと頑張りたい。人間関係も、もうちょっと良くしていきたい」
佐々木さん・受講後
この3つが、全部同じくらいの土俵に並んでいました。
どれも本気で、どれも大事です。
すると毎回、どれから行動しようかと考えることになります。
そして考えているあいだに、1日が終わります。
中途半端は、やりきれない性格ではなく、並べ方の結果でした。
1順位をつけたら、3つとも残りました
90日のあいだに、この方は順位をつけています。
1番は人との関わりのほう、2番が副業になりました。
捨てたものはありません。3つとも残っています。
副業については、もう一つやったことがあります。
「完全に切り分けて考えるという、2つの自分を作っている」
佐々木さん・受講後
今の自分と、そこで目指している自分を別々に置いた、という意味です。
そのうえで、1日の使い方を先に決めてしまう。
朝になってから考えなくていい形にした、ということです。
本人はこれを、システム化と呼んでいました。
なぜ、順位をつけただけで変わるのか
ここが今回の芯です。
私は90日の音声で、自己効力感の回にこの話を置いています。
もっと自信が欲しいと言う人ほど、ここで引っかかります。
理想もある。計画もある。
それなのに進まない人の多くは、やることが多すぎます。
あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ、と全部を同時に持ちます。
そして、全部が中途半端になります。
真面目な人ほど、そこで自分はダメだと落ちます。
1つに絞ると、力が散りません。
散らないので、結果が出ます。
結果が出るので、日々の変化が自分で見えます。
自信は、頑張った時間ではなく、終わらせた1つから返ってきます。
佐々木さんがやったのは、まさにこれでした。
やる量を減らしたわけではありません。
3つとも持ったまま、順番だけを決めています。
それだけで、毎朝の判断が1つ減りました。
先に変わったのは、周りの反応でした
本人が挙げた変化のなかに、意外なものがありました。
職場です。
上司が自分を気に入ってくれるようになった、と話していました。
俺はお前の味方だ、と言われるようになった。
一緒に帰ろうと誘われることも増えたそうです。
先輩からも同じような反応が増えた、と言っていました。
人との関わり方や、相手に合わせた接し方が変わってきた感覚がある。
本人はそう説明しています。
順位の1番に人間関係を置いたのだから、当然といえば当然です。
決めた場所に時間が流れると、まずそこから変わります。
コミュニケーションは数字で測れないから分かりにくい、とも話していました。
それでも、相手の反応のほうが先に教えてくれます。
自己否定は、ゼロになっていました
3か月後の録音で、本人に割合を聞いています。
始める前は、自己否定が1割から2割あったそうです。
残りの8割が自己肯定感で、自己効力感は1割ほど。
90日後は、自己否定は間違いなくゼロだと言いました。
残りはほぼ自己効力感だという感覚だそうです。
知識として入れただけではないですか、とも聞きました。
現実に反映できていると思う、という答えでした。
90日を一言で言うと何か、という質問もしています。
一度立ち止まっても、すぐ戻れるようになった。
そう言いました。強くなった、ではありません。
私が、心の実家があるような感覚はないですか、と聞くと即答でした。
あります、それは間違いなく、と。
最後に、分からないことはあるか聞いたときの返事がこれです。
「今のところ本当に、分からないところとかも特にない状態です」
佐々木さん・受講後
90日前、間に合うかも怪しいと話していた方の返事です。
久田 晃まとめ
今回は、1人の90日をそのまま書きました。
この方は、自分を嫌っていたわけではありません。
やりたいことも、最初から3つ決まっていました。
足りなかったのは、そのあいだの順位だけです。
3つが同じ重さで並んでいるあいだは、毎日そこで止まります。
そして止まった自分を、できないと解釈してしまいます。
中途半端をやめたい人がまずやることは、減らすことではありません。
今そこにあるものに、1番と2番をつけることです。
順位が決まると、迷う回数が減ります。
迷う回数が減ると、1つ目が終わります。
1つ目が終わると、そこから自信が返ってきます。
90日で起きていたのは、この順番でした。
中途半端は、性格ではなく並べ方の結果です。
減らす前に、1番を決める
最大120分。今の状態と、90日後にどうなっていたいかを一緒に整理します。
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