その目標は、誰に見せるためのものですか

「やりたいことがわからない」と検索したことがある方は、たぶん一度ではないと思います。
ただ、私が90日間の音声コーチングで何人もの方と話してきて思うことがあります。
やりたいことが一つも出てこない人は、ほとんどいません。
出ています。出たうえで、消えています。
この記事では、なぜ消えるのかを書きます。
使うのは、私が音声で話している内容と、受講した方が受ける前と後に話した言葉だけです。
久田 晃やりたいことは、もう出ています
佐々木さんは、受ける前の自分をこう振り返っていました。
「やりたいことは自分の中で定まっていても、それがいろいろありすぎて、何を一番自分が進みたいのかが中途半端になって、手つかずになっている」
佐々木さん・受講後
やりたいことがない、とは言っていません。ありすぎる、と言っています。
これはかなり多いです。
ゼロだから動けないのではなく、並べたまま一つも選べていないから動けない。
困っているのは、探し方ではなく選び方のほうです。
では、なぜ選べないのか。
選ぶ前に、こっそり落としています
候補が10個あったとして、10個が同じ扱いを受けているわけではありません。
口に出す前に、落ちているものがあります。
落とす基準は、だいたい一つです。それを人に言ったとき、どう見られるか。
私は音声でこう話しています。
落とすほうも同じです。世間体で落としたものは、あとから何度でも戻ってきます。
本当に欲しいものだからです。
そして戻ってくるたびに、また同じ理由で落とす。
これを何年か続けた状態が「やりたいことがわからない」です。
わからないのではなく、毎回自分で却下しているだけです。
本音かどうかは、3つの問いで出ます
私はコーチングの中で、目標を書いたあとに一度立ち止まってもらいます。
それが本音かどうかを見るためです。問いは3つあります。
1これを達成したら、誰に「すごい」と思われたいですか
目標の裏に貼りついている相手を、表に出す問いです。
顔が浮かんだなら、その人はもう目標の一部です。
親かもしれませんし、昔の同僚かもしれませんし、自分を軽く扱った誰かかもしれません。
浮かぶこと自体は普通です。誰も浮かばないほうが珍しい。
この問いで見たいのは、その相手がいるかどうかではなく、その相手が目標のどこに座っているかです。
2誰にも知られないとしても、それをやりたいですか
かなり極端な問いです。達成しても誰にも伝わらない。
報告する相手もいない。世界に自分しかいないとしても、それは手に入れたいか。
ここで熱が下がる目標は、欲しかったものが結果ではありません。
欲しかったのは、結果を見せたときに返ってくる反応のほうです。
1つ目の問いで相手を出して、2つ目の問いでその相手を消す。順番に意味があります。
相手がいる状態といない状態で、同じ熱量が残るかを見ています。
3それが叶ったとき、自分はどんな人間になっていますか
3つ目は、手に入るものではなく、自分の側を聞いています。
持ち物や肩書きはすらすら出てくるのに、どんな人間になっているかが出てこないことがあります。
そのとき、その目標は自分の生き方とつながっていません。
外から借りてきた形だけが残っている状態です。
私が音声で伝えているのは、目的とは自分の人生をどう生きるかの話だということです。
何を持つかではなく、どう在るか。ここに乗っていない目標は、達成しても静かに終わります。
この3つに答えると、ずれが見えます。ただ、ずれていること自体を私は問題だと思っていません。
久田 晃見せたい気持ちは、悪くありません
ここは誤解されたくないので、はっきり書きます。
他人の目を気にするな、という話ではありません。
誰かに見せたい。認めてほしい。
すごいと言われたい。人として自然な感情です。
私にもあります。人に良い影響を与えられることほど幸福なことはない、と音声でも話しています。
問題になるのは、それが一番上に来ているときです。
見せたい気持ちが一番上にあると、見てくれる人がいない日に止まります。
誰も見ていない平日の夜。褒めてくれる人が一人もいない数か月。
他人の反応が燃料だと、そこで供給が切れます。
続かない理由は、意志の強さではなく、燃料をどこに置いたかです。
見栄を張らない。格好つけない。
私が音声で言っているのは、それだけです。感情を捨てる話ではなく、順番の話をしています。
折れにくい行き先には、3つの層があります
では、一番上に何を置くか。
私は音声で、目的を言葉にすると大体この3つの層になる、と話しています。
- 個人的な理由。憧れ、取り戻したいもの、単純に手に入れたいもの
- その理由の理由。なぜ自分はそれを欲しいと思うのか
- 他者への影響。それが叶ったとき、誰にどんな良いことが起きるのか
この3つが揃うほど、目標は折れにくくなります。
自分だけで完結した目標は、誰も巻き込みません。やめても誰も困らないので、静かに消えます。
1一番上は、他人に見せない絵でいい
大貴さんが受講後に話してくれた行き先は、こういうものでした。
「地方に家を買って、今の彼女と結婚して、犬と暮らしたい。フルリモートワークで年収800万を、あと5年以内に達成したい」
大貴さん・受講後
立派な言い方ではありません。世の中に出して拍手される種類のものでもありません。
だからいい、と私は思っています。
人に見せる前提がない絵は、人の評価で形が変わらないからです。
2理由まで下りると、揺れなくなります
同じ日に、なぜ地方なのかを聞きました。
「本当に昔から自然が好きで、親にも自然の中で育ててもらって、いろんな経験を積めたので、私もそういう環境に行きたい。もし子供ができたときにも、そういうところがいいなと思って」
大貴さん・受講後
ここに他人の評価は出てきません。自分の子ども時代と、これから作る家族しかいない。
誰かに見せるための理由ではないので、誰かに否定されても揺れません。
大貴さんは、この期間に合格率30%の資格に合格しました。
問題集は1日20〜30問から、毎日100問が最低ラインになっています。
理由の層が固まった人の行動量は、こうなります。
3最後は、自分の外に出ます
佐々木さんは、まだ何も始まっていない受講前のインタビューで、こう言っていました。
「それが周りにも影響を与えることができるんじゃないかなと思ってます」
佐々木さん・受講前
自分が変わったあとに、周りがどうなるか。始まる前からその視点があった人です。
3つ目の層があると、面倒な日に基準が増えます。
今日やりたくないな、と思った瞬間に、これをやると家族にこういうことが起きるな、という別の理由が出てくる。
自分の気分だけが判断材料だと、気分が悪い日は全部止まります。
方向が先で、数字はあとです
目標設定というと、いきなり数字を決める作業だと思われがちです。私は逆から始めます。
先に決めるのは方向です。
旅をしている人が、迷ったときにいつでも確認できる行き先のようなもの。それが方向です。
方向が決まると、迷いが減ります。迷いが減ると、行動が増えます。
数字を細かくするのは、そのあとで間に合います。
逆に、方向そのものが本音とずれていると、数字をどれだけ精密に決めても毎回同じ場所で足が止まります。
能力がないから動けないのではありません。
行き先があるから動くのであって、順番はいつもこちらです。
久田 晃まとめ
今回は、やりたいことがわからなくなる理由について書きました。
候補が出てこないのではなく、出た候補を世間体で先に落としている。
落としたものは戻ってくるので、また落とす。その繰り返しが「わからない」の正体です。
誰かに見せたい気持ちは、なくす必要がありません。
ただ、それが一番上にあるあいだは、見てくれる人がいない日に止まります。
一番上に置くのは、誰にも知られなくても欲しいもののほうです。
見せるための目標は、見る人がいなくなった日に止まります。
誰も見ていなくても、欲しいほうへ
最大120分。今の状態と、90日後にどうなっていたいかを一緒に整理します。
無理な営業はしません。顔出しも不要です。