朝の5分が、その日1日を決めています

目が覚めます。まだ布団の中で、手が枕元に伸びます。
ロックを外すと通知が並んでいます。
1つ開くと次が目に入ります。気づくと20分たっています。
起き上がった時点で、寝る前より少し疲れています。
私は90日間の音声コーチングをやっています。
そこで7人を見てきて、はっきりしたことがあります。
1日をうまく使えるかどうかは、日中の頑張りではなく、朝の最初の5分で決まっていました。
今回は、なぜ朝なのかという話だけをします。
久田 晃朝の5分は、ほかの時間の5分と同じではありません
時間そのものは、朝も昼も夜も等しく流れています。ただ、受け取る側の脳は等しくありません。
昼の5分に何かを聞いても、たいていは通り過ぎます。
すでに仕事が動いていて、頭の中には今日の用事が何個も乗っているからです。
新しいものが入る場所が残っていません。
夜の5分も似ています。夜は判断を使い切ったあとなので、入れたものが素直に届きません。
朝だけが、まだ何も乗っていない状態です。これが、同じ5分でも意味が変わる理由です。
起きた直後の脳は、入ってきたものをそのまま受け取ります
もう少し中身の話をします。
起きた直後の脳は、一日の中でいちばん負荷が低い状態にあります。
まだ何も処理していないので、判断のためのフィルタが立ち上がりきっていません。
フィルタがない、というのがここでの要点です。
日中なら「そうは言っても」と受け止め直すものが、朝は受け止め直されません。
良いものも、そうでないものも、同じ通りやすさで入ってきます。
だから朝は、入れるものの中身がそのまま効きます。
その日の向きは、朝いちばんに入れたもので決まります。
朝からうまくいかない日は、気分の問題に見えます。
実際には、入り口で何が入ったかの問題であることがほとんどです。
ほとんどの人が最初に入れているのは、他人の用事です
では、多くの人が朝いちばんに何を入れているか。
スマホの通知です。
1通知は、あなた宛てに見えて、あなたの用事ではありません
通知の中身を思い出してみると、内訳はだいたい決まっています。
仕事の連絡、誰かの投稿、ニュース、広告。
どれも、送った側の都合で並んでいます。今日あなたが何をしたいかとは関係なく届いたものです。
それを一日の最初に入れると、何が起きるか。他人の用事から、自分の1日が始まります。
返信すべきことが3つ見えて、気になるニュースが1つ増えて、他人の順調そうな様子が2つ流れてくる。
起き上がる前に、頭の中は他人でいっぱいになっています。
そのあとで「さて今日は何をしよう」と考えることになります。もう空きがありません。
2「今日も1日を無駄にした」は、朝の1回目から始まっています
夜に、今日も何もできなかった、と思う日があります。
あの感覚を朝までさかのぼると、たいてい同じところに着きます。
朝いちばんに他人の用事を入れて、そのまま押し流された日です。
本人の実感としては、意志が弱かった日として記録されます。
ただ、実際に起きていたのは順番の事故です。
最初の5分を他人に渡した日は、残りの時間も他人の側に流れていきます。
久田 晃変えるのは気合いではなく、スマホの置き場所です
ここで、早起きしましょうという話にはなりません。
起きる時刻は今のままで構わないと思っています。
変えるところは1つです。
今夜寝る前に、スマホを寝床から手が届かない場所に置きます。
部屋の角でも、机の上でも構いません。条件は、寝たまま取れないことだけです。
それだけで、朝の動きが変わります。
寝たまま画面を見る、という行動が物理的にできなくなるからです。
目が覚めて、体を起こして、数歩あるいて取りに行く。
この数歩が入るだけで、惰性で見ていた時間が消えます。
意志の量を増やしていません。順番を1つ変えただけです。
- 寝たまま手を伸ばす → 通知が最初に入る
- 起きて取りに行く → 体を起こしたことが最初に来る
この差が、毎朝ずっと続きます。1日で見れば小さな違いです。
90日で見ると、まったく別の分量になります。
朝のあとに何を入れるかは、中身で変わります
入り口が空いたら、そこに何を入れるかという話になります。ここは長くしません。
自分が今どこへ向かっているのかに触れる、それだけで足ります。
ただ、中身の質は思っているより効きます。
麒麟さんは、90日のあいだ毎朝1本の音声を受け取り続けた人です。
90日後に、こう話していました。
「AIの文章って、今って世の中に溢れてますけど、温かみという部分では、やっぱりちょっとないなと思っちゃう」
麒麟さん・受講後
同じ言葉でも、誰から来たものとして受け取るかで残り方が違う、という話です。
朝は特にそうなります。フィルタが立つ前に入るので、届いた感触のほうが先に入るからです。
整った正論を朝に入れても、あまり動きません。
自分に向けられたものだと分かるものが入ると、体のほうが先に動きます。
90日、朝いちばんを固定し続けた人に起きたこと
麒麟さんは、受講後のインタビューで開口一番にこう言いました。
「長いようで、本当にあっという間でしたね」
麒麟さん・受講後
90日です。短くありません。
それが、あっという間になっていました。
毎朝続けるものがある生活は、しんどくなりそうに見えます。実際は逆でした。
朝の入り口が決まっていると、やるかどうかを毎朝決め直す工程がなくなります。
決め直しがないぶん、日数が体感として短くなります。
もう1つ、量の話をしておきます。
福丸さんは、90日でいちばん良かったものを1つ選んでください、と聞いたときにこう答えました。
「5分だから手を出しやすいし、めっちゃそれが良かった」
福丸さん・受講後
福丸さんは、受講前は自分への評価が10点満点で2点だった人です。
90日後には6〜7点になりました。
その変化の入り口が、毎朝の5分でした。10分でも30分でもありません。
量が小さいから、調子の悪い日にも手が出せます。
朝に30分の作業を置いた人は、寝坊した日に丸ごと飛ばします。
飛ばした日が2回続くと、そのまま消えます。5分は、寝坊した日でも残ります。
久田 晃まとめ
今回は、なぜ朝の5分がその日1日を決めるのかについて書きました。
起きた直後の脳は、まだ何も乗っていません。
判断のフィルタが立ち上がる前なので、入ってきたものがそのまま入ります。
そこに最初に入っているのが、多くの場合はスマホの通知です。送った側の都合で並んだものです。
それを最初に入れた日は、他人の用事から1日が始まります。
変えるところは、意志ではありません。今夜スマホを置く場所です。
寝たまま手が届かない場所に置くと、朝の入り口がひとりでに変わります。
1日を無駄にしたと感じる日は、たいてい朝の1本目でもう決まっています。
逆に言えば、直せるのもそこだけです。
1日は、夜ではなく朝の5分で決まっています。
最初に入れるものを、自分で選ぶ
最大120分。今の状態と、90日後にどうなっていたいかを一緒に整理します。
無理な営業はしません。顔出しも不要です。